猫が嘔吐する原因は?熱中症・寄生虫・シニア期の病気まで解説

猫の健康

すぐに動物病院へ行くべき嘔吐

猫は比較的よく吐く動物ですが、「猫はよく吐くものだから」と放置するのは危険です。次のような場合は、様子を見ずにすぐ動物病院へ連絡してください。

  • 吐いたものに血が混じっている(赤い、黒っぽい)
  • 何度も繰り返し吐いている
  • ぐったりして動かない、呼びかけに反応が鈍い
  • 水を飲んでも吐く
  • ひも、おもちゃ、植物、人の薬などを飲み込んだ疑いがある
  • おなかが張っている、触ると痛がる
  • 雄猫でトイレに何度も行くのに、尿が出ない
  • 口を開けて呼吸している、体が熱い
  • 子猫や高齢の猫、持病のある猫が吐いている

夜間でも、上のような場合は迷わず連絡しましょう。受診するときは、吐いたものの写真や、飲み込んだ可能性があるものの現物を持っていくと役立ちます。

熱中症の嘔吐

熱中症でも猫は吐くことがあります。
吐いた後にぐったり、体が熱い、口呼吸をしているときは熱中症の疑いがあります。

毛玉や便秘が原因?

・毛球症
毛づくろいで飲み込んだ毛が胃の中で大きな毛玉になり、うまく出せなくなると吐きます。
・便秘
排便でいきんだときに吐くことがあります。何日も便が出ない、お腹が張っている、吐くのをくり返すときは腸閉塞のおそれもあるので、早めに動物病院へ。

腸が原因?

・誤飲
ひも、ビニール、おもちゃの部品などを飲み込むと、腸に詰まって吐き続けることがあります。飲み込んだ疑いがあるときは、吐かせようとせず、すぐに動物病院へ。
・腸の炎症
慢性的な腸の炎症でも、嘔吐や下痢が続くことがあります。

寄生虫や炎症が原因?

・回虫
回虫という紐みたいな細い虫が猫の体内に入ると嘔吐の原因に。
・三臓器炎
炎症性腸疾患・膵炎・胆管肝炎を併発している状態で嘔吐をよくします。

シニアの嘔吐

・膵炎
膵臓に炎症が起き、食欲低下が発生し激しい嘔吐が見られます。
・甲状腺機能亢進症
甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、活発になるのに嘔吐して痩せていきます。

様子を見てもよいことが多い嘔吐

次のような場合は、少し様子を見ることもあります。ただし、迷うときや不安なときは、動物病院に相談してください。

  • 吐いたあと、すぐにいつも通り元気で、食欲もある
  • 毛玉を含んだ嘔吐で、その後に変わった様子がない
  • 食べてすぐ、未消化のごはんを吐いた(早食いのことがあります)

ただし、吐く回数が増えている、何度も続く、元気や食欲が落ちてきたといった場合は、様子見をやめて受診しましょう。

受診前に記録しておきたいこと

嘔吐のあとは、次の点をメモしておくと、診察のときに役立ちます。

  • 吐いた時間と回数
  • 吐いたものの内容(未消化のごはん、黄色い液、白い泡、毛玉、血など)と写真
  • 吐く前後の食事、おやつ、新しいフードや環境の変化
  • 食欲、水を飲む量、元気、うんちやおしっこの様子
  • 誤飲した可能性のあるものが、身の回りにないか

スマートフォンで嘔吐物の写真を撮っておくと、言葉で説明するより正確に伝わります。

家庭でやってはいけないこと

  • 人間用の吐き気止めや胃薬、市販薬を自己判断で与える(猫に危険な成分もあります)
  • 無理に水や食べ物を飲ませる、食べさせる
  • 嘔吐が続くのに、様子を見て長く絶食させる(猫は食べない状態が続くと別の病気のリスクが高まります。絶食させる場合は動物病院の指示に従ってください)
  • 飲み込んだものを、自分で吐かせようとする
  • 「いつものこと」と決めつけて、繰り返す嘔吐を放置する

薬や食事の調整は、必ず動物病院で相談してから行いましょう。

日ごろからできる予防

  • ブラッシングで、飲み込む毛の量を減らす
  • 早食い防止の器を使う、食事を数回に分けて与える
  • フードを変えるときは、数日かけて少しずつ切り替える
  • ひも、小さなおもちゃ、ビニール、観葉植物など、誤飲しやすいものを手の届かない場所に片付ける
  • 夏は室温を調整し、新鮮な水を用意する
  • ふだんから体重や食欲、うんちやおしっこの様子を記録する

高齢の猫は、病気が隠れていることも多くなります。定期的に健康診断を受けて、早めに体調の変化に気づけるようにしましょう。

「吐く」と「戻す」のちがい

猫が吐く様子には、いくつかのタイプがあります。見分けておくと、動物病院に伝えるときにも役立ちます。

  • 食べてすぐ、形の残ったごはんを戻す:早食いや食べすぎのことがある
  • 毛玉のような塊を吐く:毛づくろいで飲み込んだ毛のことが多い
  • 黄色い液や白い泡を吐く:空腹時間が長いときなどにみられる
  • 何度もえずく、苦しそうにする:ほかの病気や誤飲の可能性もある

1回だけで、そのあと元気で食欲もあるなら様子を見ることもありますが、繰り返すときは、原因を調べる必要があります。

誤飲に注意したいもの

猫は、ひもや糸状のもの、小さなものを遊んでいるうちに飲み込んでしまうことがあります。吐き気や嘔吐が続くときは、誤飲の可能性も考えましょう。

  • ひも、糸、ゴム、リボン
  • おもちゃの小さな部品、ビニール
  • 人用の薬、化粧品、洗剤などの化学製品
  • 猫に有害な観葉植物(ユリ科など)

飲み込んだ疑いがあるものがあるときは、自分で吐かせようとせず、すぐに動物病院へ連絡しましょう。ひもが口からのぞいていても、無理に引っ張らないでください。

吐いたあとの過ごし方

1回だけ吐いて、その後すぐに元気な場合は、次のように様子をみます。

  • 静かに休める環境をつくる
  • いつも通りの新鮮な水を用意する
  • 吐いたものは早めに片付けて、猫が近づかないようにする
  • 食事は、いつもと違うものを与えず、様子をみながら少量にする
  • 食欲、元気、排泄の様子を、数時間ごとに確認する

再び吐く、食欲が戻らない、ぐったりしてきたといった場合は、様子見をやめて、動物病院に連絡してください。

まとめ

  • 猫は吐くことが多い動物ですが、「よくあること」と決めつけないことが大切です
  • 血が混じる、何度も吐く、ぐったりしている、雄猫の尿が出ないときは、すぐ受診します
  • 誤飲の疑いがあるときは、吐かせようとせず、動物病院に連絡します
  • 人用の薬や自己判断の絶食は避けます
  • 吐いたものの写真や、いつ・何回吐いたかのメモが、診察の助けになります

嘔吐は、病気のサインのこともあれば、早食いや毛玉など、日常の工夫で減らせるものもあります。ふだんの様子を知っておくと、いつもと違う変化にも気づきやすくなります。迷ったときは、自己判断せず、動物病院に相談してください。

※この記事は一般的な情報です。気になる症状があるときは、早めに動物病院を受診してください。

nekonimo

愛猫の病気をきっかけに2020年12月に猫健康管理士の資格を取得。そして、2021年2月22日より資格取得の知識を活かし、「猫にも人間レベルの健康を」という理念を掲げ、猫の健康情報を中心に毎日SNSにて発信。

毎日猫と暮らしている方のいろんな方々の健康相談などを受け、現在は、約14万人の方にフォローいただいております。

保有資格:猫健康管理士|猫疾病予防管理士|ペット災害危機管理士(R)

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